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内沼晋太郎編著「本の未来を探す旅 ソウル」朝日出版社

今、韓国の個性的な本屋が熱い!「本の逆襲」を書いた著者がソウルを訪れ、個性的な本屋を探検している。「韓国から学ぶ」という考えに乏しい日本人にはなかなか手がでない本かもしれないが、俺の目にはまっさきに飛び込んできた一冊だった。このムーブメントを日本ではほとんど扱ってない。「韓国の出版界は日本の出版界を先取りしているのでは?わざわざ欧州にいかなくてもこんなに近くにあるじゃないか?」という問題意識が著者をソウルに駆り立てたらしい。以下、店主達の言葉を引用したい。
THANKS BOOKS イ・ギソプ
「本たちはインテリアを気にしなくても自然に肯定的なエナジーを発するし、本自体がオブジェになる・・・韓国で個性的な本屋が生まれている背景に経済優先から多様性というシフトがあると思います・・自分たちが楽しくできることを正直に見せて、いつでも何事にもオープンにしておくことが大事です」
YOUR MIND イ・ロさん
「『本屋なんてやめた方がいい』という人を信用しないことです。特長さえあれば、いくら辺鄙でも人はやってきます」「代官山蔦谷本店と競争することになったらどうするの?と聞かれたら『そうなればなるほど、小さな本屋に新しい可能性が生まれる』と答えます」
Sajeokin bookshop チョン・ジエさん
「私がもともと考えていたのはブックファーマシー(処方する本屋)というコンセプトです。悩んでいることがあるけど、何を読んだらいいか悩んでいる人などが顧客です。お客様とおしゃべりして必要だと思った本を処方します。1時間の相談、キャンドル、そして本題セットで4万ウオン(3800円)です」「小さな本屋コミュニティの背景にあるのは、人がみんな自分の話をしたがっているということです」

by oritaraakan | 2017-11-12 09:45 | 読書ログ  

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