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的場昭弘「待ち望む力」晶文社

副題は「ブロッホ、スピノザ、ヴェイユ、アーレント、マルクスが語る希望」となっている。現代日本にはモノとサービス、情報があふれかえっているが「希望」が枯渇している。そこで著者は希望について多く語った5名の碩学にから希望についての哲学は引き出す試みを行っている。ここでは記憶に残った箇所を引用しておきたい。

「考えるとは踏み越えることである。・・・・踏み越えることは現に存在して動いているものの中に媒介されているひとつのものとして、新しいものを把握することである」
「現実の世界とその可能性との一種のズレを理解し、未来を描くことが希望である」
(by ブロッホ(ドイツの哲学者・神学者))
「無知なる者にとって老齢は冬であり、学識ある者にとってはそれが葡萄をつみ果汁をしぼる場である」
(by ヴォルテール)
「喜怒哀楽は外部への依存から起こる感情だ。それらは外部への依存に起因している。平静を保ち、欲を出さないことだ」
(by スピノザ)
「精神的な萎縮が貧しさをつくりだす」
(by カール・マルクス)

不確かな時代に一つの公明をもとめ手繰り寄せるかは本人が「希望を本当に待ち望むのか」「そのために準備を今しているのか」にかかっている。然り!である。

by oritaraakan | 2014-01-21 16:16 | 読書ログ  

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