ケン・シーガル「Think Simple」NHK出版

スティーブ・ジョブズのもとでアップルの「Think Different」キャンペーンに携わり、iMacを命名した伝説のクリエーティブ・ディレクターである著者がジョブズの「シンプル」という哲学について明かした一冊。ジョブズの「シンプルの杖」は誰にでも使えるものではない。シンプルさは人々が望んでいる明快さに答える最善の方法だろう。選択肢は多すぎないほうがいいのだ。しかし、単にシンプルであったら、誰も見向きもしない。このシンプルを生むには圧倒的な知識とセンスが必要となる。現実の企業は複雑さというダークサイドに包まれており、その勢力の力は絶大だ。ダークサイド=悪ではない。物事の両面だと思うほうがいいのだ。複雑さは安心ではあるが、作品から命を奪うプロセスでもある。つまりプロセスが王様であるあいだは、アイデアはけっして王様になれない。才能がある人が組織にいる場合、複雑さはその人を殺し、シンプルさはその人を生かし、戦力も効率もあがる。ヒエラルキーがあることで、それに対処する人間の精神は疲弊し、仕事の質は落ちる。自分の職場にも該当事項が満載だ。
印象に残った箇所を書き出しておきたい。
・「シンプルとは頭脳と常識という最も強い二つの力のあいだにうまれた子どもだ」
・「シンプルさに関する理解やスキルが不十分ならば、複雑さには太刀打ちできない」
・「シンプルさの親友は有能な少人数のグループだ」
・「Think Bick Act Small」
・「ミニマルに徹する 大切な事実を多くの事実に埋もれさせない」
・「偉大なことをなしとげるには、二つのことが必要だ。計画と十分でない時間だ」
・「イメージを利用する Think Differentキャンペーンは人の人生、偉業をみる人の頭への喚起を促す1枚ですべてがきまった」
・「偉大な企業の価値観は一つの偉大なコピーと一致する」例)ナイキは商品宣伝をしていないがイメージを見事に定着させている。
「マーケテイングとは価値の話。何をしってほしいのかを明確に」
・「ネーミングには一貫性が重要」
・「複雑さは、勝利目前の者を逆転負けさせるという意地の悪い習性を持っている」
・「あなたにできる最大限のことで通常は十分でない。チャンスはすべて使おう」
・「自分の仕事が組織のトップまで伝わるよう全力をつくすことが大切」
・「圧倒的な兵力をつかえばいくつもの抵抗を打破できる」
・「シンプルな考えが常に優れたアイデアとは限らない。肝心なのはクオリテイ」
・「人間らしい話し方はシンプルさの証だ。人と結びつく最良の方法は、物事を説明するときに人が日常会話で使うことばで話すこと」
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# by oritaraakan | 2017-11-12 09:59 | 読書ログ | Comments(0)  

田村和紀夫「音楽とは何か」講談社選書メチェ

古代の音楽は神がかり的なパフォーマンスであり、呪術としての音楽は音楽と詩と舞踊であった。例えばストーンヘンジは古代社会に権力を現前させるための建造物だったのであり、その延長線上に古代ギリシャの音楽がある。ピタゴラスの調和説は古代メソポタミアの音楽観の継承なのであり、ハーモニーの語源、ハルモニアは古代ギリシアの女神で破壊の神と愛と美の神の子である。現代に視点を移すとビートルズは機械化した過剰な資本主義社会に鉄槌をくだした。音楽は歴史に活力をあたえてきた。音楽はシンパシーのための道具でもある。
具体的な音楽の話も興味深かった。印象に残ったものを箇条書きにしておきたい。
・シンコペーションのようなリズムの逸脱が音楽を推進している太い推進力である。
・半音階に下行する低音は悲しみを表現するための切り札である。
・フレーズとブレスという関係は私達の発語と同じであり、会話である。
・音楽の根元には生命が宿っており、それをもたらすのがリズムである。
・ステイービーワンダーの心の愛はヴァースとリフレインからなっている。同じメジャー和音の中にAmが効いている。しかも詩の核心部分で使っている。これによって心の中により響くという実に効果的なストラテジーによって歌に命を吹き込んでいる。
・歌詞は人々に違う気持ちを喚起するが、音は人々に共通した感情を呼び起こす
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# by oritaraakan | 2017-11-12 09:55 | 読書ログ | Comments(0)  

内沼晋太郎編著「本の未来を探す旅 ソウル」朝日出版社

今、韓国の個性的な本屋が熱い!「本の逆襲」を書いた著者がソウルを訪れ、個性的な本屋を探検している。「韓国から学ぶ」という考えに乏しい日本人にはなかなか手がでない本かもしれないが、俺の目にはまっさきに飛び込んできた一冊だった。このムーブメントを日本ではほとんど扱ってない。「韓国の出版界は日本の出版界を先取りしているのでは?わざわざ欧州にいかなくてもこんなに近くにあるじゃないか?」という問題意識が著者をソウルに駆り立てたらしい。以下、店主達の言葉を引用したい。
THANKS BOOKS イ・ギソプ
「本たちはインテリアを気にしなくても自然に肯定的なエナジーを発するし、本自体がオブジェになる・・・韓国で個性的な本屋が生まれている背景に経済優先から多様性というシフトがあると思います・・自分たちが楽しくできることを正直に見せて、いつでも何事にもオープンにしておくことが大事です」
YOUR MIND イ・ロさん
「『本屋なんてやめた方がいい』という人を信用しないことです。特長さえあれば、いくら辺鄙でも人はやってきます」「代官山蔦谷本店と競争することになったらどうするの?と聞かれたら『そうなればなるほど、小さな本屋に新しい可能性が生まれる』と答えます」
Sajeokin bookshop チョン・ジエさん
「私がもともと考えていたのはブックファーマシー(処方する本屋)というコンセプトです。悩んでいることがあるけど、何を読んだらいいか悩んでいる人などが顧客です。お客様とおしゃべりして必要だと思った本を処方します。1時間の相談、キャンドル、そして本題セットで4万ウオン(3800円)です」「小さな本屋コミュニティの背景にあるのは、人がみんな自分の話をしたがっているということです」
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# by oritaraakan | 2017-11-12 09:45 | 読書ログ | Comments(0)  

山田奨治「東京ブギウギと鈴木大拙」人文書院

表題をみて思わず手にとった一冊。オイラがメンターの一人として考える鈴木大拙には「隠された秘密」があった。息子としていた鈴木勝が実は養子のアランであったということだ。このアランは大拙の夫人ピアトリスと同じスコットランドの男性と日本女性の間にうまれたハーフである。英語環境にうまれたアランは実に端整な顔立ちで、背も高く異彩を放っていた。しかし行動はというと学校では問題を起こし続ける放蕩息子であり、大拙もえらく手をやいていたらしい。幼少の頃はかなり厳しく接していたらしいし、時には見放すようなこともあったらしい。アランはアランで、父の嘘(自分が養子であることを対社会的に隠していたこと)を見抜き、強烈な反抗心を燃やしつつも、学問的にあまりに偉大な父を尊敬する両面をもっていたらしい。アランは決して無名の人物ではない。エリートの登竜門であった日米学生会議に英語力をかわれて代表の一人として参加し、禅についての紹介をし、後には服部良一に認められ戦後を代表する歌謡曲「東京ブギウギ」を作詞、当時スイングの女王といわれていた池真理子と結婚している。アランは生涯3回結婚しており、この結婚は2回目だった。それだけではない、他の女性を妊娠させて大拙に多額の慰謝料を追わせたこともある。大拙の教育観は禅の王道とは違っていた。完全な個人主義をつらぬくのでなく、まるで旧約聖書の放蕩息子を待つ父親のような立場を貫いた。どこか人間的な弱さをあらわしているところが魅力だと思う。大拙のアランに対する姿勢は以下の話につながる。
「猫が子を運ぶとき、親猫は子猫の首を口にくわえて一匹一匹連れて行く、子猫は親猫に任せきりでいい。ところが猿だとそうはいかない。子猿は親の背中に乗せられて運ばれるので、親の体を自らつかまえなければならない。子猫の移動は浄土真宗の他力(大悲)で、子猿の移動は禅宗の自力(大智)なのだ」
大拙はこの大悲と大智の両方で接していた。決して器用ではないが、最後まで見捨てなかった。その姿勢はどこか共感できる。人間の弱さも含め、興味深い一冊となった。
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# by oritaraakan | 2017-10-29 11:38 | 読書ログ | Comments(0)  

俺が見た凄腕ギタリスト 俺流ランキング

昨日、木村大のライブを見に行った。俺の中での衝撃度は「まあまあ」ランクだったが、やはり凄いテクニックと表現力だった。今まで直接見たギタリストをちょっとランキングしてみたい。よく考えたらここ30年くらいあんまりみていないなあ・・。
<直接見たギタリストベスト10>
1位 沖仁         間違いなく神!
2位 CHAR        かっこよさにしびれた!高校3年で直接対面!
3位 野呂一生(カシオペア)テクニックの完璧さ抜群! 大学1年ライブ3回見た
4位 押尾コータロー    アコギの可能性を衝撃的におしえてくれた。
5位 木村大        プレストのスリリングさはGOOD!
6位 ニール・ショーン(ジャーニー)高校2年の秋、名古屋のライブに大興奮!
7位 山岸潤史       ブルースギターは超濃厚! 大学1年次ライブで見た
8位 赤岸郁洋       富山でのライブに衝撃!この人の曲はコピーした。
9位 石田長生(サウス&リズム)ミスターブルース!大学1年次ライブで見た
10位 ラリーカールトン   高校2年の冬、名古屋でのライブに興奮!
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# by oritaraakan | 2017-10-28 13:32 | 音楽といっしょ | Comments(0)  

親学というトンデモ思想

オイラが所属するU学園はこの親学というトンデモ思想を学園事業として全国展開してしまっている。その講師認定講座が土曜日に開かれるのだが、ノルマが降りてきて、運悪く俺がでることになってしまった。講師は超右翼思想団体、森友で有名な「日本会議」メンバーでもある高橋教授。生長の家の元青年会長でもある。簡単にいうと昔ながらの家庭教育こそ目指すべき道だといった、いわば戦前思想への回帰を目指すトンデモ思想なのだ。専門学校から参加する人もそうだが、ほぼ全員この思想には組していないし、「あほか?」と思っている。そんな内容なのだ。この研修に参加したあとは3200字の論文を書けときた!理事長には申し訳ないが、もしこれが命令で下ってきたら、痛烈な批判をぶちまけてやろうかと思っている。それを考えると片面ワクワクしてくる。「本当にやってやっか?」と悪戯心に火がつきそうだ。それにしてもこれにみんな追従しているこの学園の将来はかなり危うい。タイタニックがいつ沈んでもいいように準備だけはしておこうと思う。
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# by oritaraakan | 2017-10-20 00:56 | 徒然日記 | Comments(0)  

次男が負傷

昨日、次男から連絡があった。
「朝練中、両足からプツン!という音がして立てなくなった」
両足臑部筋肉の部分断裂だった。今日から松葉杖にお世話になっている。
実は前日から既に肉離れの症状が出ていて、先輩に相談していたが、「テーピングして出ろ」といわれ、仕方なく走ったらしい。S大の練習や指導方針には大いに疑問がある。しかし、これがオレから出たとなると、次男坊が責められる結果になるし、難しい・・。スポーツで生きていくということはこういう事態を受け入れることでもある。親としては本当に複雑な思いだ。つらいなあ・・。

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# by oritaraakan | 2017-10-17 15:26 | 徒然日記 | Comments(0)  

つんく「だから、生きる」新潮社

喉頭癌により声帯摘出手術をうけ、命より大事な「声」を失った歌手つんく。声だけではない。手術によってつけられた気管孔が首の付け根にあるため、首まで水につかることができず、子どもとのプール遊びや水泳、風呂につかることも制限される・・。最近新聞のコラムなどでなかなか味のある発言をしていただけに、気にかかっていた人だ。もともとシャ乱Qで一世を風靡し、「モーニング娘」の生みの親、育ての親として手腕を発揮していた凄腕プロデューサーでもある。仕事に厳しく「家庭より仕事はあたりまえ!」で突き進んできた人だ。彼は知り合いを解してしりあった平凡な一般女性と結婚し、3児の父となったわけだが、このことが彼をして「人生最大の試練」に立ち向かわせる力になった。彼が病から学んだことは大きく2つある。一つは「自分の感覚を大事にすること」。つまり医者の診断を無条件に信じないこと。納得できなければ従わずに自分で調べてみるという視点。それから「自分にとって何が一番大切なのか」を見極めることだ。彼にとってそれは「家族」になった。そういう選択を明確にしたわけだ。しかし、そこに至る課程は険しい道のりだった。声帯摘出手術の直前、妻と3人の子供に残した「最後のことば」には胸が詰まった・・。彼は出身大学である近畿大学入学式をプロデュースし、数々のエンターテイメントを成功させるTNX株式会社の社長として、また執筆者としても活躍の場を広げている。今後の活躍に期待したい。
「生きてさえいれば、人生には何度でも新しい扉を開くチャンスがある」(つんく)
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# by oritaraakan | 2017-10-15 10:45 | 読書ログ | Comments(0)  

須田慎一郎「偽装中流」KKベストセラーズ

安倍政権のアベノミクスや一億総活躍社会の虚構を暴く内容となっている。一億総活躍社会の実情は「薄給で働く人を増やす」、もっというと「自分の食いぷちくらい自分で稼げ」ということを国から強制されるということなのだそうだ。その最たるものは「マインナンバー制度」。この最終目的は個人情報のすべて、個々の銀行口座に至るまで紐付けし、徹底的に税金を吸いあげる仕組みの構築にある。社会主義以上の監視が実現するわけだ。国民生活軽視の政治が行き着く場所はGDP7位への転落らしい。P&WJAPANのGDP予測によると2050年のGDPは1位中国、2位インド、3位アメリカ、4位インドネシア、5位ブラジル、6位メキシコ、7位日本・・ということになるとのこと。2022年には団塊の世代(1947年~49年生まれ)が75歳を迎え、後期高齢者となる。この時代になると死亡者数は150万人台に達し、出生数の2倍となり、本格的に人口減少に傾いていく。マイナンバー制特需に沸いたSE雇用も2020年以降はお払い箱になる可能性があり、東京オリンピック後のツケは莫大なものになることが容易に予測できるわけだ。ではどうするべきか。「長期的な視野をもつこと」「政治の中身をよく見ておくこと」「幸福感を軸にしたライフスタイルを築くこと」「幻想にとらわれず、偽装中流の枠組みにはまらないこと」が重要・・と著者は位置づけている。今の日本は政治がかなり危険水域に来ているだけに、考えさせられる内容だった。俺なりの答えをこれから出していかないといけない。
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# by oritaraakan | 2017-10-15 10:43 | 読書ログ | Comments(0)  

ついに、ゲット!

ずうっと狙っていたものをやっと手にいれることができた。
「鈴木大拙全集」全30巻岩波書店
ネットオークションを初めて利用して手にいれたのだが、なんともいえない嬉しさがこみ上げてくる。これから生涯大切にできる本だと思うと、ワクワクしてくるのだ。売るつもりなんて全くないから、たくさんメモを書きいれて完全に俺のものにしてやる!問題は「どこにおくか?」だ。もう部屋の中は本の山になっている状態。うまく収納せんとあかんなあ^^!
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# by oritaraakan | 2017-10-03 22:23 | 徒然日記 | Comments(0)  

アパート管理会社の失態

今日、当校初のミャンマーからの留学生が来た。広くてきれいで安価なアパート、家電、すべて準備して迎えたはずだった。ところが、昼間ついていた電気が夕方つかなくなっていた。管理会社に電話したら「北陸電力さんに電話してくれ」ときた。北陸電力に電話したら「いや、管理会社さんの一括管理になっています」という。結局担当者の契約ミスがあったことが明るみに!「ふざけんじゃねえ!!」と吠えたかったが、いかんせんもう退勤後・・。仕方なく北陸電力に新規契約して20時半にやっとついた。「留学生のみんな!ごめんよ!」本当に申し訳なかった。明日はしっかり噛み付くつもり!怪我はしない程度に^^!
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# by oritaraakan | 2017-10-02 22:08 | 徒然日記 | Comments(0)  

住民体育大会

昨日は役員として初の住民体育大会!正直疲れたああ・・。なんせ6時半に集まってテント運びから夜の打ち上げまで、エンドレスだったのだ。あと1年かあ、まあこういうことでもなければ地域に貢献することもないし、喜んでやることにしよう。
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# by oritaraakan | 2017-10-02 21:40 | 徒然日記 | Comments(0)  

ベトナム出張

今回のベトナム出張は本当にあっという間だった。スケジュールがぎっしり埋まっていた上に毎晩のように卒業生や企業の方と会った。実績もしっかり残したし、後ろめたいことも何もない。いつものように本や新聞記事や雑誌を大量に持ち込み、隙間時間で読みまくった。こういう時間は俺にとって「黄金の時間」といえる。何せ、学校にいるときも家に帰ってきても、完全なプライベートタイムはほとんどないから、自分の人生を俯瞰できる時間はあるようでないわけだ。ベトナムという地の歴史や文化を感じながら、ご当地グルメやベトナムスイーツを楽しんだ。こうして公的業務で来させてもらっていることに感謝したい。やるべきこと!やりたいこと!は山ほどある。目指すところはまだ遥か彼方にある。一歩一歩進んでいくだけ。日々楽しんで進んでいこう!!
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# by oritaraakan | 2017-09-30 22:16 | ベトナムにて | Comments(0)  

オリバー・ストーン他「天と地」新潮文庫

オリバー・ストーンといえば「JFK」や「プラトーン」で有名だが、俺はこの映画作品を知らなかった。実はストーン自身がベトナム帰還兵である。ストーンの話によると、この戦争でありえない残虐行為があった背景には、「アメリカ本土で虐げられた無教育の兵」が大量に送り込まれたことと無関係ではないらしい。とにかくありえない残虐行為が繰り返された。
この映画は、レ・リー・ヘイスリップ( Le Ly Hayslip )がベトナム戦争期の自身の体験について書いた小説『When Heaven and Earth Changed Places』が原作となっている。ストーンはこの本を読み、アメリカ兵として見ていた地獄とベトナム人からみた地獄のギャップに愕然とする。ストーンはレ・リーと会い、この自伝小説の映画化を決意する。ベトナム中部のキラという村が舞台なのだが、ごく平凡な平和な農村だ。この平和な村にアメリカのヘリコプターが舞うことからすべてが地獄の第1幕が開くことになる。大義のない代理戦争の中で、レイ・リーは大切な人を目の前で殺され、故郷を失い、強姦され、拷問に耐え、真剣に初めて愛した貴族の男の子を産み、その男に裏切られながらも、子をつれてたくましく生きぬく。しかし、母が深刻な病気だと聞き、キラに帰郷する。そこでレイ・リーは変わり果てた故郷を目の当たりにし、呆然とする。母親は村民がベトコンから「アメリカへの協力者」という嫌疑によって数人の女性と共に公開処刑にあい、他の女性が頭を撃ちぬかれていた時、打たれる寸前に親戚によって救われたが、その後、乞食生活を続け、廃人同然になった。父親は「べトコン協力者」の嫌疑でアメリカ人兵士から拷問を受け、瀕死の状態・・。レイ・リーは生きるために両親を残してアメリカに渡っていったことを恥じ、父親に許しを請うた。しかし、父親は娘を記憶し抱き締めて最後の力を振り絞って言葉を残した。
「リー、何が正しくて、何が間違っているのかなんて訊いちゃいけない。それはとても危険な質問だ。正しいこと、それはいつもお前の胸の中にある。先祖と家族を愛する心だ。間違いはすべてそのおまえの心とお前を引き裂こうとするものの中にある。さあ、息子のところにもどりなさい。そしてできる限りのことをして、立派な人間に育てるんだ。それがお前の闘わなければならない戦争だ。それがお前が勝ち取らなければならない勝利だ」
レイ・リーは父親から生きることを学ぶ。その後、レイ・リーはベトナムの地で戦うある兵士と恋に落ち、生きぬくためにアメリカに渡る。そこで一瞬平和で豊かな暮らしを手にするが、人種差別、夫の精神疾患に悩まされ、挙句の果てには夫が自殺。レイ・リーは故国への帰国を決意する。
レイ・リーはベトナム戦争後、故国に医療施設を3箇所立ち上げ、今も後遺症で苦しむ人たちの為に日々汗を流し、ライターとしても活躍している。
この本ではストーンだけでなく映画を作った製作メンバー、レイ・リー本人、レイ・リー役を見事につとめたハップ・ティ・レイの目から見たこの映画のリアルが語られている。プロでなく本当に戦禍を生き抜いたベトナム人がキャストをかざり、レイ・リーの反応を見ながらフィルムを撮っていった。徹頭徹尾リアリティにこだわったストーンの執念に脱帽だ。この映画は必見だろう。
ベトナムは日本、フランス、アメリカという国々によって翻弄されながらも、不死鳥のようによみがえった。そして今のベトナムがある。そういう背景をわすれてはいけない。
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# by oritaraakan | 2017-09-30 21:52 | 読書ログ | Comments(0)  

DESPERADO

ベトナムに来ると聴きたくなる歌がある。イーグルスのDESPERADO。この曲の示すものはベトナム戦争で大変なことを仕出かしたアメリカだと言われている。40年前第二次大戦以上の爆弾が打ち込まれ、200万人の命を奪われたベトナムはたくましく成長し、ベトナム人は生きる力に溢れている!歴史を踏まえてこの国を見ると、本当に面白い。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm9326031
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# by oritaraakan | 2017-09-26 13:49 | ベトナムにて | Comments(0)  

ボサノヴァライブ!

今日、小野リサとフェビアン・レザ・パネ(ピアノ)によるボサノヴァデュオを観てきた。2ビートに包まれた快適な時間だった。ボサノヴァは2ビート、これは心臓の動きと似ている。だから自然に体のなかに入ってくる。イパネマの娘、WAVE、おいしい水(Água de Beber)、ワンノートサンバ・・俺がソロギターでコピーした曲もあったりしてなかなかいい感じだった。小野リサが好きだったわけではないが、ボサノヴァのコンサートは珍しいこともあって、行ってみた。やっぱり行って正解!!音楽はええわあ♪ いつか俺も再度バンドを組んでライブをしたい!これも一つの企みとしてあたためておこうっと^^
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# by oritaraakan | 2017-09-23 22:02 | 音楽といっしょ | Comments(0)  

愛すべき留学生達

今年度入学してきた日本語学科留学生は70名だが、管理体制を強化したことも手伝って、脱落者はゼロ!出席率80%以下もゼロという状況を維持している。先日、社会見学の日は、あいにくの雨でかなり残念に思ったのだが、留学生はそんななかでも超ハイテンションで風と雨の中、立山室堂の散策コースを練り歩いていた!この子達の生きる力とポジティブ魂に感服!日々この子達と接するのがとっても楽しい。愛すべき留学生たちなのだ。よりよい環境を提供してあげて、10月に来る学生達のためにもしっかりサポートしてあげよう!
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# by oritaraakan | 2017-09-14 14:56 | 徒然日記 | Comments(0)  

落合陽一「超AI時代の生存戦略」大和書房

副題は「2040年代シンギュラリテイに備える34のリスト」とある。
世にあふれるテクノフォビア(テクノロジー恐怖症)を煽る報道に異議をとなえている。AIが将来人間から仕事を奪うというものだ。これらの報道は恐怖をあおって衆目をあつめてPVの増加を狙っているというのが著者の見立てになっている。時代は確かにテレビに代表される「集団への体験共有」の時代から「個人の能力拡張」へ大きく舵がきられた。それによって働くことのステータスや考え方も当然変わってくる。この大きな変化はどういう変化なのかを著者は自説をふまえて主張している。キーワードは「ワークアズライフ」つまり、ワークライフバランスといった仕事と余暇を切り離して考える常識はもうすぐ過去になるということなのだ。簡単にいうと自分のキャラクターをいかした趣味生活と仕事が一体となった働き方が「選ばれる個人」をつくり、それが主流になっていくという。「こうなければならない」といった社会的通念はデカルトの「心身二元論」に端を発し、当然の如くいわれ続けてきた。これはレッドオーシャン主流の時代に常識であった「固定のパイの奪い合い(競争)」であり、今後ブルーオーシャン時代の「個のパイの拡張(未開拓市場への進出)」にはそぐわない。「人間らしく」なんてことも一定の答えがなくなる時代が目の前にきているということなのだ。俺もここまでは自覚していた。「べき論」の終焉が近づいているってころだろう・・。しかし、その先が大事だった。自分がやりたい分野、専門としている分野において「この世界で誰が何をやっているかを調べ続ける」「自分に関係のある政治にアンテナを張っておく」「あらゆる分野にフックをかけておく」という作業を怠ってはいけない。そして最低限の技術の習得、時代をよみとくことも然りだ。スペシャリストになることが前提、ニッチから探し、ニーズを読み解いて前に進むという戦略だ。何らかの分野で1番になること!タフな頭が必要だ。また、タフな頭をささえる肉体の鍛錬、特に筋トレが必須という点にかなり共鳴した。この本を読む2週間前に読んだ「インターネットの次にくるもの」を書いたケヴィン・ケリー氏との対談が本著のきっかけになったという下りがあり、われながら偶然の必然性に驚いた!最後に著者は意味深なことを言っている。
「古典的人間性とデジタル人間性の衝突は、創世記のバベルの塔の話のようになるかもしれない」
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# by oritaraakan | 2017-09-05 00:27 | 読書ログ | Comments(0)  

喜多白浩「イムジン河物語」アルファベータブックス

俺は全く知らなかったし、関心も持っていなかったのだが、県民カレッジでの講座で「離別」といったテーマで材料を探していてこの歌にたどり着いた。調べてみると実に多くの背景があって面白かった。もともとこの歌は1957年に北朝鮮でソプラノ独唱曲として生まれた。名前は「リムジン江」である。しかし、当時は威勢の良い軍隊曲ばかりが奨励される時代であったため、この歌は全く知られることなく葬り去られた。ところが1968年、「帰ってきたヨッパライ」で一世を風靡していたフォーク・クルセイダーズ(以下、フォークル)が第2弾としてこの歌を「イムジン河」として発表しようとした矢先に、朝鮮総連が強烈な抗議を浴びせ、発売中止になっていたのだ。ちなみに俺はこのフォークルというグループも知らなかったが「オラが死んじまっただ~♪」は知っていた。このグループをプロデュースしたのが東芝音工(レコード会社)の辣腕ディレクターであり、俳優高島忠雄の弟であり、ビートルズを日本に誘致した高嶋弘之だった。朝鮮総連からの抗議内容は作曲者不詳、朝鮮民謡、作詞松山猛となっていたことによる。ここに朝鮮民主主義共和国と作詞者である朴世永、作曲者の高宗煥をいれるように要求したわけだ。東芝としては当時国交のなかった国の名前を出すわけにもいかず、当時の朝鮮総連の組織の強靭さからいっても太刀打ちすることもできない。そこで、発売中止に追い込まれたわけだ。その後、朝鮮総連は新しい形で「リムジン江」を左派色の強い大阪労音傘下にあるユニゾン音楽出版社から誕生させる。歌い手は早稲田大学のアマチュアバンド「ザ・フォーシュリーク」リーダーは神部和夫(歌手イルカの夫)である。30万枚は売れたらしい。それを知ったフォークル、作詞者の松山は驚きとともに「このまま葬り去られるのは絶対避けたい」との思いで小さなレコード会社ミュージックファクトリーから「イムジン河」を出したらしい。後に第3次フォークルのメンバーになった坂崎幸之助(アルフィー)はこの曲が契機になってバンドを始めたらしい。
原曲を作曲した朴世永は京畿道の出身で1948年に越北、詩人として活躍し国家を作詞している。家族を南に残してきたため、その思いが「リムジン江」に詰まっている。本来こういった内容は北朝鮮でスパイ疑惑を掛けられかねない事項であるが、詩人としてのステータス等が作用し奇跡的に世に出たという。この歌は北朝鮮では無視されたが、日本に渡っていった在日の心を鷲掴みにし、在日の間で愛されてきた。日本で発表中止となった1968年はまだ北朝鮮を好意的に報道している頃であり、日本国内で「リムジン江」や「イムジン河」が受け入れられる土壌があったこともある意味奇跡といえるだろう(今のような状況なら100%拒否される)。
2001年、リムジン江は北朝鮮で初めて公のものとなる。キムヨンジャの平壌公演である。2000年、金正日と金大中による南北首脳会談が契機となって、南北交流が一気に進んだ時期だ。(訪朝期間中に別途金正日に呼ばれて「一人だけのコンサート」をさせられたらしいが、このとき金正日はこの歌を知らず、反応もなかったらしい・・)この時、周りの人と比べ物にならないほど感銘をうけていた人がいる。蓮池薫氏である。脱北する日までこの歌が心の支えになったという。キムヨンジャがこの後日本でこの「イムジン河」を歌うことで、フォークルをしらない多くの人にも知られることになる。
日本音楽著作権協会のサイトで「イムジン河」を検索するといろんなアーチストが歌ったり演奏したりしていることがわかる。イルカ、ばんばひろふみ、ダカーポなどのフォーク歌手から渡辺香津美といったジャズギタリストなど、実に多様だ。「アジアのイマジン」という別名が業界ではついているようだ。そんな名曲の背景をつぶさに本書では伝えている。最後の一節が印象に残ったのでそのまま転機する。
「イムジン河・・それは約60年前、北朝鮮という国で始まった、一滴のしずく。源流は、長い長い、曲がりくねった隘路を歩みながら、とうとう流れる大河となった。途中で干上がったり、消えてなくならなかったのは、この歌自身が持つ魅力と共に、多くの人々の熱く、強い想いが込められているに違いない。イムジン河は希望である。過去を振りかえるのではない。この歌に、未来を託してこれからも世界中で歌い継がれてゆくだろう・・。」
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# by oritaraakan | 2017-09-03 11:52 | 読書ログ | Comments(0)  

いい感じ!

幼児教育学科とホテルブライダル学科に対する「検定後の検定授業」を実施した。正直準備はかなり悩んだが、結局遊びの要素をふんだんにいれた学習メニューを大きく3つ準備した。これが全部あたり!!!学生はかなりノリノリで取り組んでくれた^^こういうとき、教師はほんとうに力が出る。授業開始までもうカウントダウンに入った。徐々にギアを入れていこう!
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# by oritaraakan | 2017-09-01 11:58 | 徒然日記 | Comments(0)